平成30年度文化選奨受賞者

久津美 碧洋(くつみ へきよう) 氏

年齢:89歳

住所:宇都宮市

 氏は、昭和33年、書道研究「書典会」創設者である宮下竹洞氏の門人となり、師の教えである「書は正しく美しく」を目指して書の研鑽を始めた。

 昭和53年に宮下竹洞氏が他界、会の存続を図るため率先して師の遺業を引き継ぎ、心血を注ぎ多難な時代を乗り切り、今日の書典会の歴史を築き上げた。

 氏は、敢えて中央書壇とは関わらず、県内の書道団体に積極的に参加しており、平成14年に栃木県書道連盟副会長に就任、書の研鑽と普及振興に尽力し、現在は名誉顧問の職に就いている。

 栃木県文化協会では、平成15年から14年間に亘り監事として会の運営に多大な貢献をするとともに、宇都宮市文化協会では、平成20年に理事に就任し、身近な地域文化活動にも人の輪と心の繋がりをモットーに活動している。また、下野書道会では特別顧問に就任し、県内書道界の代表として芸術文化の向上に尽力している。

 栃木県芸術祭では平成元年からの6年間で芸術祭奨励賞を2回、準芸術祭賞、芸術祭賞をそれぞれ1回受賞し、平成8年から平成24年までの間に書道部門の審査員を7回務めている。

 また、書道人生の集大成として還暦、古希、喜寿、米寿の節目を記念して個展を開催し、書の世界感を開花させた作品群は観るものを魅了した。「書は心を映し出す」を証明するかのように人間味のある心の温かさが感じられる個展であった。しかも、あまり成し得ることができない篆書・隷書・楷書・行書・草書・仮名の全ての書体を見事に書き分け、独特の書線と造形美の深さは抜群である。そこに加え書に最も重要とされる書格を兼ね備え、深い感動を与えた大個展であった。

 近年、書に関わる人口減少に危機感を感じる中、氏は世代を繋ぐため後輩の指導にも専念し、書の魅力や手書き文字の大切さを伝え広めている。

 氏は正に現在の栃木県書道界の第一人者であり、本県の文化芸術振興及び発展向上に大いに貢献された功績は高い評価に値するものである。

栃木県芸術祭審査結果

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