令和2年度文化選奨受賞者

令和2年度文化奨励賞受賞者

芸術及び文化の分野で多年にわたり顕著な業績を挙げた方に贈られます。

主として前年において、芸術文化の分野で極めて顕著な業績を挙げ、将来の活躍が期待できる方に贈られます。

杉山寒月(日本画)

昭和18(1943)年4月9日生(77歳)

宇都宮市在住

氏は1967年に宇都宮大学を卒業後、教員として県内中学校に赴任し教鞭を執る傍ら、独自に日本画を学んだ。1971年に栃木県芸術祭に初出品し芸術祭賞を受賞、翌年「第27回春の院展」での初入選をきっかけに、日本美術院同人の今野忠一氏の門下生となる。翌1973年には「再興第58回院展」に初入選し、以後数多くの入選を重ね、1975年に「日本美術院院友」、2002年には「日本美術院特待」に推挙された。

 また、1989年、今野氏が日本美術院内に創設した研究集団「画塾(旅人会)」に参加し、精神性の高い気韻を表出しようとする東洋絵画に山や樹木に霊が宿るという日本の自然風土に焦点をあてた心の風景(自然観想)を主題にした研究画題作品に取り組み、院展・旅人会展(銀座松坂屋)両展に作品を発表し続け注目を集めた。

 2004年に学校教員退職後は日本画の源流である仏画に取り組み、仏涅槃図、不動明王図、菩薩図、飛天図、天井画など、栃木県内寺院に数多くの作品を残している。

 また、宇都宮東高校在勤中の1997年に栃木県高等学校教育研究会美術工芸部会事務局長に就任すると、全国文化祭や美術展に数多くの生徒を積極的に参加させ、多くの受賞者や入選者を輩出し、その後の県内を代表する芸術家等への発展につなげた。

 一方社会人教育にも力を注ぎ、NHK文化センターや地区市民センターなどの公共施設において日本画教室を開設し、日本画普及活動と人材育成に取り組み、日展・院展等の入選に尽力するとともに、栃木県芸術祭日本画部会の運営委員や審査員などを20年以上歴任し、芸術祭を通じた芸術・文化の振興・発展に努めている。

 栃木県文化協会では、2019年度から理事に就任し、本県日本画文化の向上はもとより、県内文化芸術の振興・発展にも尽力され、その功績は誠に大なるものがある。

関口聖子(洋画)

昭和16(1941)年9月21日生(79歳)

那須塩原市在住

 氏は2002年に鎌倉市から那須塩原市に転居、持ち前の明るさと行動力で地域の人々と積極的に触れあい、すっかり栃木県人としてとけ込んでいる。

 氏の描く作品は植物をモチーフにし、その断面や拡大した形を追求したもので、一見エロチックで奇妙な印象を受けるが、植物に宿る生命力と、成長していく現象に共鳴しながら、その根元に迫ろうとしている。極めて独創的であり、構成力豊かで魅力的な画面となっている。

 以前からの画風に加え、新たに栃木の風土や地元の身近な植物が大きな刺激となって、更に深みを増した作品を生み出している。

 全国規模の公募展として独立美術協会が主催する独立展では、毎年のように受賞されており、2009年の第77回展で最高賞である独立賞を受賞、翌2010年に会員に推挙されている。また、2015年、栃木県で初の開催となる女流画家協会宇都宮展では、同協会委員として運営の先頭に立って尽力され、その結果、県内からの女流展への出品者が確実に増えている。

 様々な展覧会に積極的に出品する一方で、栃木県芸術祭美術展においては洋画部門の運営委員、専門委員、審査員を務めるなど、その手腕を充分に発揮されている。

 氏は栃木県の洋画界では極めて顕著な活躍をしている女流画家であり、余りあるその実績は高い評価に値するものである。

福田智久山(邦楽)

昭和57(1982)年7月28日生(38歳)

日光市在住

 氏は、日光市に生まれ、幼少期から邦楽の道を志した。

 2002年より、宇都宮市内の小中学校や特別支援学校等に芸術文化に関わる講師を派遣する「ふれあい文化教室」に積極的に協力するとともに、日光市教育委員会による「スクールコンサート」や、文化庁の補助事業として県が高等学校に芸術家を派遣する「学校への芸術家派遣事業」などの講師を務め、尺八の歴史や魅力を伝える講話や楽器に触れる体験授業などを通じて、子どもたちに伝統楽器への興味・関心を深めてもらうための活動を展開している。

 氏の演奏活動は、古典音楽に留まらずポピュラー・ロックに至るまで幅広いジャンルにわたり、国内はもとより海外公演などを通じて、日本の伝統音楽である尺八を広く紹介する活動に力を注いでいる。2010年には、吉澤延隆氏、本條秀慈郎氏、前川智世氏とともに邦楽ユニット「邦楽ゾリスデン」を結成し、邦楽の古典作品から現代音楽、アニメーションやオリジナル朗読劇とのコラボレーション、ポピュラー曲のメドレーまで、世代を超え、老若男女に沿った演奏活動を展開するとともに、舞台の脚本・作曲及びプロデュースなども手がけている。

 さらに、文化庁の事業である「文化芸術による創造のまち」支援事業として宇都宮市や日光市で開催する邦楽フェスティバルなどの事業の企画にも携わるなど、地域の振興にも貢献している。

 近年の受賞歴としては、2017年に第6回全国邦楽合奏協会邦楽コンクールで全奏協賞を受賞、また、本年2020年には第1回目となる大関作新館賞を受賞している。

 以上のとおり氏は本県の邦楽界を担う優れた人材であるとともに、日本の伝統文化である尺八の普及、伝承を通じて文化芸術の振興と発展向上に貢献している功績は高い評価に値するものである。

栃木県芸術祭審査結果

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